2018年7月発行ニュースレターNo.16

チェルノブイリから学び、子どもたちを守る 未来の福島こども基金ニュースレター

未来の福島こども基金ニュースレター
from chernobyl No.16 2018年7月発行
チェルノブイリから学び、子どもたちを守る

ニュースレターNo.16のPDFはこちらからダウンロードできますので、みなさま、ぜひご覧になってみてください!

2017年度未来の福島こども基金会計および活動報告会

2011年6月に未来の福島こども基金の活動がスタートしてから7年。みなさまに支えられて、久米島の保養施設「沖縄・球美(くみ)の里」、市民測定所を中心に支援を続けることができました。

また、昨年は当基金代表・黒部信一小児科医師も毎月2回診察・相談に携わっている小児科・内科・心療内科・子ども(人間)ドックの機能を備えた「たらちねクリニック」がオープン。

福島に暮らす子どもと親の拠り所となっています。

以下、たらちねクリニック院長の藤田操先生をお招きして子どもたちの様子とこれからの課題を伺うとともに、この1年間の会計・活動報告会を開催致します。ぜひご参加いただけましたら幸いです。

  • 日時 2018年8月4日(土)14:45〜17:00(14:30開場)
    ※参加費は無料です
  • 会場 東京・練馬文化センター3階集会室
  • 問い合わせ
    TEL:090-3539-7611 FAX:048-470-1502 
    Eメール:fromcherno0311(アットマーク)yahoo.co.jp

たらちねクリニックで診察中の藤田医師

保養とたらちねクリニック

黒部信一(小児科医師、未来の福島こども基金代表、チェルノブイリ子ども基金顧問、黒部信一のブログ

保養とたらちねクリニックは、車の両輪だと思います。

沖縄・球美(くみ)の里での保養を始めた時は、まだ子どもたちの健康問題は知られていませんでした。しかし、2016年頃から、薬持参の子や食べ物アレルギーの子が増え、また球美の里に来てから病気にかかる子が増えました。それで健診センターと診療所とを兼ねた「たらちねクリニック」を福島県いわき市に立ち上げました。私は月2回診療に行き、子どもの診療にあたり、特にアレルギーの病気の子どもの治療や相談にのりました。

事故後7年たった今、福島の子どもたちに病気になる子が増え、保養をするだけではなく、病気の子どもたちの治療や相談に乗るクリニックが必要になってきました。また本来国がすべきなのにされていない健康診断をする必要もあります。病気を見つけるだけでなく、子どもの健康状態を把握し健康なことを確認し、それを記録して残していくことが必要です。これはチェルノブイリの事故後のベラルーシ、ウクライナでは行われていないことです。

それだけでなく、「東京新聞」によれば福島県の避難者の仮設住宅ではうつ病やがんが増えていると言います(2018年4月3日付)。さらに、福島市にある福島県立医科大学の血液内科では事故後3年後の2014年頃から患者さんが増えていますが、未だにその実態は明らかにされていません。県立医大のがんや血液腫瘍の増加も、甲状腺がんの手術の詳細も隠されたままです。当初は子どもの健診センターをと位置付けてクリニックを作ったのですが、作ってみるといろいろな要望が出て来ています。

県内の医療機関にかかると県立医大に回されるからと嫌がる人、医者にかからずに仮設住宅でひっそり亡くなる方も少なくないと言います。またいわき市には仮設住宅や強制避難地域からの移住者が多くいますので、これからそういう人たちへの医療にもかかわりたいと思っています。

前にも述べましたが、アレルギーと発達障害は、遺伝的要因と育て方によると考えられます。同じくたらちねクリニックで診療を受け持つ、乳幼児精神科医の渡辺久子氏の言葉を借りれば、野に咲くたんぽぽはどんな状態でも花を咲かせるが、洋蘭は手をかけて育てないと花を咲かせないのです。それは社会がこんな状況のために親たち特に母親が不安をかかえ、子どもを過保護や過干渉したために、子どもたちが病気になると考えています。母親のせいではなく、現代の日本の社会がそれを生んでいるのです。

私はその不安を解消し、上手な育て方を伝えたいと思っています。アレルギー性の病気は治せるし、発達障害は1歳半で見つけて治療すれば治せます。それをいわきの地でしていきたいと考え、渡辺久子さんとがん治療医の西尾正道さんの協力も得られています。少しずつ発展させて、たらちねクリニックを原発事故被害者のための灯台にしていきたいと考えています。

それがたらちねクリニックの現在です。できればクリニックから外へ出ての訪問診療や、出前医療相談、小さな講演会なども構想しています。

いわき放射能市民測定室たらちね 事務局長 鈴木薫

いわき放射能市民測定室 たらちね
https://tarachineiwaki.org

2011年の震災・原発事故から7年目の一年間をふり返ってみました。地震や津波被害から商店街が復活し、新しいコミュニケーションを築きながら再スタートする地域のニュースが報道されています。人々が、大きな自然災害をのりこえて、再生していく様子と福島の現実を比較して「原発事故さえなければ……」と思うことも多い一年でした。防ぐことができる人災を防げなかったことの重さを感じます。

私たちの住む地域は、太平洋に面した海辺の町ですが、山もあり川もあり野菜も魚もおいしいところでした。しかし、原発事故以後、そこで獲れる野菜や魚を「大丈夫かな?汚染されていないかな?」と警戒しなければならないことに、ときおり卑屈な気持になってしまいます。これまで、あたりまえに自慢できていたものが、そうでなくなることは何とも言えない情けなさや、がっかりした気持ちになるものです。この感覚は慣れるということがありません。

また、地域の人々や避難者の居住環境にも変化があり、事故直後とはちがう第二の分断の時期をむかえていると感じます。避難を続けられずに帰りたくないけれども帰らなければならない人、帰りたいけど帰れない人、住み続けて大丈夫かな? と疑いながら避難せずに過ごしている人。

そんな社会の中、震災当時、胎児であった子どもたちが小学校に入学する時期になりました。「あの日」に、お母さんたちは身籠った大きなお腹を抱えて、被ばくの恐怖と危険から逃げ回りました。人の一生の中で、一番安心を感じられる母親の胎内で、母親たちの恐怖心が胎児をとりまく胎盤や羊水に悪い影響を与えたことを想像するのは容易です。

後に聞いた、いわき市内の医療機関で働く医師の話。「患者を残して逃げるわけにはいかず、残って勤務を継続しながら、迫りくる放射能への恐怖を感じる気持ちは並みのものではなかった。あの時、責任ある立場でありながら逃げてしまった医師もいる。気持ちは理解できるが、逃げるなんてことはあってはならないことだ」。妊産婦ではない、普通の人々も大きな恐怖を感じていました。ベント(原子炉格納容器の圧力を下げる排気操作)の発表があり、原発が爆発したニュースが流れ、刻一刻と恐怖が迫る感覚を今も忘れることはできません。そんな中、正確な情報は発信されず、しなくてもよい被ばくをさせられた人も多くいました。

それでもたくましく誕生した子どもたちが、一年生になり、当時中学生だった子どもたちは成人し、原発収束や除染作業に従事している人もいます。子どもたちは、大人がつくってしまった負の遺産をすでに背負い始めています。

たらちねがオープンしてからこれまでの間、そういう時の流れとことの大きさ感じながら放射能の測定を行ってきました。これまでの毎月の測定結果は、たらちねのホームページから見ていただくことができます。

2011年の開所時と比較すると、現在の放射能汚染は少しずつ減ってきていますが、もともと高い汚染を受けている土壌や資材などは、まだまだ人体への被害が心配される高い値です。2014年度から着手したβ線核種の測定で土壌のストロンチウム90汚染の値もだせるようになりました。2018年度は、「遠くへは飛んでいないはず」のストロンチウム90の高濃度汚染が、意外と身近にあることを、測定により数値で示すようになると考えています。2017年度は、クリニックがオープンし、地域の子どもたちの心身の健康を見守り支える体制ができました。スタートしたばかりですが、見えない放射能を測定することで見つめながら活動するクリニックの存在は、「被ばく後の世界」には必要なものだと思います。

たらちねの活動は、この現状に心を痛める多くの支援者に支えられています。自分にできる形で、現場にいない支援者の心にも支えられており、いつも、その人々とともにあると感じながら前に進んでいます。できることをできるところまでしかできないと思いながら、やれることはやる、という気持ちで新年度も活動を続けていきたいと思います。

市民測定所から

https://fukushimachildrensfund.org/sokuteisho-shien/sokuteisho

みんなの放射線測定室「てとてと」

宮城県柴田郡大河原町 http://sokuteimiyagi.blog.fc2.com/

田植えが終わり、小さくかぼそかった苗はいつのまにか成長し、田園風景を緑色に染めつつあります。暑かったり肌寒かったりと、天候はなかなか定まりませんが、植物たちは確実に夏に向かって生きています。原発事故から7年の時が流れ、山菜を測らずに食べる人が増えてきた5月18日、朝日新聞宮城県版に県北の「香美町のワラビ、基準値超え」の記事が載りました。山菜、キノコ、イノシシなど野生動物の肉……、セシウムとの付き合いは長くなりそうです。福島第一原発事故だけでなく、チェルノブイリや核実験の影響もあるので、測定済みのものが流通するようになってほしいと願っています。

ふくしま30年プロジェクト

福島県福島市 http://fukushima-30year-project.org/
2017年度は認定NPO法人の認定を受け、また、福島市飯坂町に戸建ての事務所を得たことで、持続的な活動のための基盤強化ができた年でした。そして、2018年度からは理事長を佐原真紀に交代しました。ここであらためて、子どもたちを守っていくために何が必要かを考え、実行していくことを心がけたいと思います。

あぶくま市民測定所(壱から屋〜えすぺり)

福島県田村市 http://ichikaraya.web.fc2.com/

我が家の離れの「かぼちゃ小屋」にベクレルモニターが設置されたのは、2011年9月でした。以来多くの農産物を測定し、数値を消費者の皆様に提示することを基本に、私たちは「壱から屋」という小さな会社を立ち上げ、「えすぺり」という直売所兼レストランを経営しています。私たちの農産物を「買う、買わない、食べる、食べない」の判断基準として、セシウムの数値は大切だと考えています。

阿武隈山系の麓に位置する我が家は、現在野菜の苗の作付けに忙しい日々を送っております。緑豊かな雑木林が背景に広がっていますが、原発事故以前のように落葉樹の葉を農業の材料にすることはもうできません。落ち葉を沢山集めて油粕や米糠を加え、野菜のベッドを作るのが春一番の仕事でした。発酵熱で種は芽吹き成長し、役割を終えた落ち葉は一年経って良質の腐葉土となりました。素晴らしい『苗床』というこの文化が、原発事故のために消えようとしているのが残念でなりません。一度原発事故が起きてしまったら、奪われるものはとても大きいということを伝え続ける、それも私たちの大切な仕事であると思っています。

みんなの測定所・ふじみーる

岡山県岡山市 http://fujimi-ru.info/
設立から7月で丸6年。ふじみーるの測定器は、検出下限値が低く、僅かなセシウムの汚染が分かります(Cs-137=0.60Bq/kg程度)。私たちの役割は、測定依頼があればすぐに測定出来る体制を維持することだと思います。また、測定結果を公表することにより、食品の放射能汚染を社会的に監視することにもつながります。放射能から、「未来を作るこどもたち・全ての人を守りたい」その思いで、これからも測定を続けて参ります。

小さき花 市民の放射能測定室

宮城県仙台市 https://ameblo.jp/foreston39/
みなさまのご協力により、子どもたちのおしっこ検査が実現しました。母乳を授乳されているお母さんは無料で行います。

沖縄・球美(くみ)の里の声

91次保養に参加して 飯出さえ

沖縄・球美の里の声

当基金世話人のベテランボランティア飯出さえが5月22日〜29日の母子保養に参加しました。

今回は、母子11家族35人と中学生女子2名のお世話をスタッフ8名(ボランティア2名を含む)でさせていただきました。他に島の3名の方が短時間お手伝いに来てくださいました。天候は、梅雨の真っ最中だというのに、夏の水不足が心配されるほどよいお天気でした。前半は湿度も少な目で過ごしよかったのですが、半ばから蒸し暑く、夕方にはスコールがくるという真夏の陽気となり、ちょっと体調を崩した人もいました。

この時期ならではの月桃の花があちこちに咲き乱れ、岩山では野ボタン、白ユリも咲き、早朝にはアカショウビンがピョロローンと鳴いています。もう、蝉や蝶、トンボもたくさん飛び交って、楽園です。

プログラムは2度のイーフビーチでの海水浴がメインで、絶好の海水浴日和に、子どもたちは心地よさそうに浮輪につかまって楽しんでいました。海が初めての子はお母さんにしがみつき海水を舐めて「ショッパ!」と顔をしかめていました。「前回は冬に来たので今回はぜひ海水浴を……」と、リピーターさんも満足されたようです。シーサー作りは、絵付けを選んだ人がほとんどで、色つけを楽しんでいるお母さんもいました。ある方は「子どもが一部にしか色を付けないので『もっとつけたら』というと、全部まっ茶色に塗ってしまった。余計なことを言わねばよかった……」と反省していましたので、アクリル絵の具で、また、その上から色付けできますよと話しました。

藤田操先生の医療相談会では、日頃の心配ごとが次々とあがり、悩みを共有できました。もう住んでいる近所では放射能を気にしなくなってきているが、ここではみんな結構気にしているので安心した。周囲が不用心なので勉強したいと思い来てみた。危機感が薄れて来ているが、心の奥での不安はずっとある。保育園では、地元の食材、水道水の飲用、外遊び等で尿セシウムが震災前の約5倍だそうでとても心配でどうしたらよいか、悩んでいる。除染で出た土がその辺にあるのが当たり前となり、それに対して誰も何も言わない今の現状で、流されつつある自分に待ったをかける意味でも保養は必要だと思う。身内に甲状腺を悪くしている者がいるので、子どもたちにはできるだけ、保養に来させたい、等々。

先生は、放射能値が高い所で遊ぶよりも、食材として取り込むほうが影響が大きく、海水浴も海水を飲み込んだりするから危ない、ビーチを散策するくらいならそれ程でもないとおっしゃっていました。

8日間の保養で、自然体験や子ども同士の遊びがたくさんでき、のびのびとした子どもの姿を見ると本当に救われた気持ちになると多くのお母さんがおっしゃってました。帰る間際に月桃の葉が欲しいと言われ飲料にするのかなと思うと、犬が甲状腺機能低下症となり毛が抜けて、いろんな塗り薬を試したが効かないそうです。月桃の液を塗ってみたいと持ち帰りました。効果があったら知らせていただきたいですね。

沖縄・球美の里ができて6年、ゼロ歳の子が小学生になって、一人で学童保養に来てくれるのが楽しみです。いつもながら笑顔で元気に帰って、また来てくださるとうれしいです。

沖縄・球美の里第90次保養(2018年4月28日〜5月6日 母子保養)に参加したお母さんと子どもたちからメッセージが届きました。

福島では、いつも不安を抱えて生活し、子育てしているので、今回は母子保養で私も一緒に来させていただきありがたいと思いました。子どもたちも、ここへ来るのをとても楽しみにしていたので、実際ここへ来ていろいろなプログラムに参加させていただき、帰りたくないと言っていました。私も子どもも同じ思いです。のびのび自然の中で楽しいことを満喫させることができて、本当に感謝しています。ありがとうございました。(Iさん)

参加したお子さんメッセージ

今回初めて母子保養に参加させていただき、久米島での8日間、心身共にリラックスして過ごすことができました。いろいろなプログラムを準備していただき、充実の毎日で、久米島での経験、本当に感謝しています。  福島での生活は、まだまだ安心できるものではなく、外遊びなども場所を選び、食べ物は産地を選び、気を使う毎日です。ストレスにならないよううまくつきあっていかなければならないと自分に言い聞かせながら、子どもたちの20年後、30年後を考えながら生活していこうと思います。震災から7年が経ち、今も変わらず応援してくださる方々がたくさんいることに感謝の気持ちでいっぱいです。これからが大事だと思っています。応援よろしくお願いします。(Sさん)

参加したお子さんメッセージ

私は2児の母です。原発事故当時、福島県浪江町にいました。原発事故から7年目になり、浪江町も避難解除となりましたが、放射能からの不安で帰還できていません。福島ではのびのびと遊ばせられない状況がまだ続いており、子どもたちも私もストレスに感じることが多くあります。今回きれいな久米島の自然に触れ、海でも遊ぶことができ、子どもたちも喜んでいます。岩登りやピクニックも行き、いろいろな経験が、子どもたちの自信と成長につながっていくと思います。私も、子どもたちの笑顔やはしゃぐ姿を見られたこと、母として嬉しく思います。ありがとうございました。(Tさん)

参加したお子さんの描いた絵

チェルノブイリ32年・福島7年救援キャンペーン 広河隆一講演会 チェルノブイリが福島に問うこと

このキャンペーンは、チェルノブイリ子ども基金と共催で毎年開催される救援イベントです。今年は、チェルノブイリ子ども基金の創立者でフォトジャーナリストの広河隆一さんの講演を中心に、いわき放射能市民測定室事務局長の鈴木薫さん、チェルノブイリ子ども基金事務局長の佐々木真理さんの活動報告を、4月20日、練馬ココネリホールで行いました。
チェルノブイリ子ども基金創立時から支援されているような懐かしい顔ぶれと、福島の今の様子を知りたいという新しい顔ぶれの混じった会場風景でした。200人余の出席者でしたが、アンケートの回答の多さには正直驚き、関心の高さがうかがわれました。

まず、最初にチェルノブイリ子ども基金の佐々木真理さんが報告しました。
「チェルノブイリ子ども基金では、ベラルーシとウクライナの保養プロジェクトを長年支援して来た。ベラルーシの〈希望〉での保養に参加したゴメリ市周辺の子どもたちは、各種腫瘍や染色体疾患の病気を抱えている。ウクライナではジトミール州という汚染地帯から42人を南部の施設に招待した。ほとんどの子どもたちは慢性疾患や体調不良を訴えていた。子どものころに甲状腺がんなどの手術を受けた親とその家族の保養も実施しているが、生涯薬を飲み続けなければならない彼らに、ベラルーシ・ウクライナとも国からの支援はない」との報告があり、事故32年が経過してもまだ、支援が必要なチェルノブイリの現状に来場者一同、思いを深くしました。
 
続いて、たらちねの鈴木薫さんからの報告がありました。
「福島の環境を自分たちで把握するために、『食品、水、土壌、資材、人体』を測り続けている」また、沖縄・球美の里の窓口として、保養の大切さと学童保養の応募人数の多さについて話されました。地域に寄り添うためにオープンした〈たらちねクリニック〉の報告もありました。本紙別項に書いていただきましたが、子どもたちの健康を守るためのたらちねのたゆまない活動に、会場のみなさんも真剣に聞き入っていました。

最後は広河隆一さんの講演です。
「今、私には原発事故がなかったことにされてしまうかも知れないという危機感がある。国や企業は、甲状腺検査や保養を進める私たちのことを“福島の人たちの不安を煽る差別主義者だ”と言って批難し、良心派・理性派の識者と言われるような人たちさえも、そういう意見に与するようになってしまっている。IAEA(国際原子力機関)は国連傘下の組織でありながら、原子力産業の人たちで構成されており、“原発事故と甲状腺がんの関係はない”とチェルノブイリでも福島でも発表している」と怒りを持って話された。

後半では、チェルノブイリと福島の被災者の交流について紹介、「チェルノブイリの被災者の人たちが経験して来たことを、福島の母親たちに伝えるのは大きな意味がある」と、実例を挙げて紹介されました。

〔編集部注〕
お二人の報告と広河さんの講演録の一部は、チェルノブイリ子ども基金のニュースレターNo.110(2018年6月23日発行)に掲載。広河さん自身が加筆した全文は、チェルノブイリ子ども基金のweb上で掲載しています。また、今回の講演とも関連する『福島被曝安全神話のワナ』がDAYS JAPANより発行されました。ぜひ図書館などにリクエストしてお読みになってください。

沖縄・球美の里 東京本部より、写真展開催と浴衣用帯集めのお知らせです。

〜球美ぬ里にめんそうれ! 沖縄・球美の里写真展 新宿2018〜

(今年も見せます。子どもたちが沖縄県久米島で保養している写真です)

期間 2018年7月31日〜8月5日
時間 10時〜18時まで(初日は13時〜 最終日は16時まで)
場所 エコギャラリー新宿(03-3348-6277) 新宿中央公園内
最寄駅 大江戸線「都庁前」A5番出口より徒歩5分/丸ノ内線「西新宿」2番出口より徒歩10分/新宿駅より徒歩15分
入場無料 来場者全員に絵はがきをプレゼント!
主催 沖縄・球美の里 東京本部 (問)03-6205-6139

ボランティアスタッフ、子どもたち、フォトジャーナリストで名誉理事長の広河隆一が撮影した写真、子どもたちが描いた絵などを展示します。

〜浴衣用帯を集めます!!!〜

2年前の夏、多くの浴衣を集めました。これは、学童保養のために、毎年、多額の寄付を贈ってくださるドイツ・ドルトムント独日協会様の企画によるものでした。日本では着物文化はすたれる一方です。浴衣ですらなかなか着なくなりました。そんなわけで、今は着なくなった浴衣がどの家庭にもあり、それを全国から送っていただきました。予想外の数量が集まり保管に困ったほどでした。ドイツでは浴衣は大人気です。バザーで、コミックフェスで売れています!
ドルトムント独日協会さんのブログをご覧ください。

https://hilfefuerjapan2011.wordpress.com/%E2%80%A6/%E6%94%AF%E6%8F%E2%80%A6/

浴衣はまだまだ十分にあるけれど、帯が足りないと代表のシュルターマン容子さんからSOSが入りました。そこで、品物・期間とも限定で集めます。

★半幅帯・腰紐(浴衣用です!)
★締切り 8月末まで。 ※浴衣は残念ながら今回は集めません。
★送り先
169-0075 新宿区高田馬場2-19-7-702 沖縄・球美の里 東京本部
平日11時〜17時着 電話03-6205-6139
tokyo☆kuminosato.net(☆=@)

2年前、未来の福島こども基金でも浴衣を集めました。今回もみなさまに呼びかけます。ただし、半幅帯と腰紐の送り先は「沖縄・球美の里 東京本部」に統一します。ご協力をお願いいたします。

会計報告 2017年6月1日〜2018年5月31日

※クリックで大きな画像が表示されます。
会計報告  2017年6月1日〜2018年5月31日

寄付団体名(2017年6月1日〜2018年5月31日)敬称略

団体名のみ記載しています。多くの個人の皆さまからもご寄付をいただいております。心より感謝申し上げます。

愛知県立津島高等学校写真部/ACT21/秋山眼科医院/網走友の会奉仕係/「A Musical Café」(デンマーク)/あやカルチャ/飯田弁護士事務所/居酒屋すじや/伊藤石油株式会社/臼田歯科医院/WATERMARK arts and crafts/大牟田市母と女性教職員の会/小川医院/表町町会/Kaiki Fund/家庭文庫おはなしのいえ/カトリックあきる野教会 広河隆一写真展実行委員会/環境調査センター/帰農志塾/教覚寺/ギャラリートモズ/具志川モービル/グリーンループ内渋谷民商布ぞうり「結」/クレヨンハウス/劇団はぐるま/小池音楽教室/高知・のびのび青空キャンプ実行委員会/小林牧場「森と海のじかん」交流会/埼玉東部法律事務所/桜井書店/札幌第三友の会小学生グループ/札幌第三友の会/志木かっぱ油田/市政フォーラム(志木市)/自然環境センター/渋谷民主商工会 婦人部/スクールみいち/ストップ・ザ・もんじゅ事務局/スラージ/清心会三光町修道院/泉称寺「いなべ親鸞塾」/高崎経済大学矢野ゼミナール/多摩市消費者団体等連絡会/チェルノブイリ子ども基金/千葉友の会/天心堂/チヨフク商店/豊田勇造ライブin土浦/2017みどりーむまつり実行委員会/日本基督教団下関教会/日本キリスト教団千葉教会婦人会/日本キリスト教団沼津岳南協会/日本書法院(パリ)/はじめてきもの小梅/東所沢リサイクルの会/ヒマワリプロジェクト/百町森エコプロジェクト/福島応援!第2回チャリティALOHA市場/フクシマを思う実行委員会/プチマルシェ/福音館書店労働組合/文化の泉/遍照院/法然院/ほっとふる柳瀬/ボランティアグループKAI/真岡西部クリニック/まだまにあうのなら基金/みのや/元都立富士女子バレー有志/八柱市民センター/山崎産業株式会社/和らぎヨーガ小田原/養源寺「柔心地蔵」/米山歯科医院/LAST FIGHT/LOVE FORJAPAN(タイ)/れんの会/ろばや

継続支援のお願い

会員のみなさま、引き続きのご支援をお願いします。すでに振り込まれた方はご容赦ください。振込用紙つきチラシを一律に同封させていただきました。また、チラシをまわりのかたに広めていただける場合、枚数をお知らせください。お送りします。どうぞよろしくお願いいたします。

寄付金、会費の振込先

郵便振替口座
振替口座 : 00190-0-496774
口座名 : 未来の福島こども基金

三菱東京UFJ銀行普通口座
銀行名:三菱東京UFJ銀行
支店名:神楽坂支店(支店番号:052)
口座名:未来の福島こども基金
口座番号:0064011

海外から送金の場合 – Remittance from Overseas
BENEFICIARY’S BANK/ACCOUNTBANK :
THE BANK OF TOKYO-MITSUBISHI UFJ,LTD
3-7,KAGURAZAKA,SHINJYUKU-ku,TOUKYO162-0825,JAPAN
BENEFICIARY’S BRANCH :KAGURAZAKA BRANCH
SWIFT/BIC :BOTKJPJT
ACCOUNT NAME :Fukushima Children’s Fund
2-3-4, c/o MukaiTate,Shiki-Shi, Saitama 353-0006,JAPAN
ACCOUNT NUMBER :052 - 0064011

未来の福島こども基金 規約

  • 1、本会の名称:「未来の福島こども基金」
  • 2、目的:福島原発震災に遭った被災者を支援するため、情宣・募金活動を行う
  • 3、会費:3000円、学生会員2000円、維持会員1万円の年会費を納入する*
  • 4、役員:代表1名、若干名の世話人をおく。世話人の中から会計、監査を選任する
  • 5、会員はそれぞれ可能の範囲で創意工夫して自由な支援活動を行う
  • 6、本会は印刷物、メール、ネット、等の媒体を通じて適宜活動報告を行う
  • 7、毎年1回、総会を開き、事業および会計について報告する
  • 8、事務局:353-0006 埼玉県志木市館2-3-4-409 向井方
    〈問合せ〉Tel:090-3539-7611 Mail:fromcherno0311(アットマーク)yahoo.co.jp
  • 9、活動開始:2011年6月1日より(会計年度 6月1日より翌年5月31日まで)

*会費には寄付金も含まれる
※経費は募金額の1割以内をめどとする
※当基金は任意団体です

このたびの集中豪雨による被害を受けられたみなさまに謹んでお見舞い申し上げます。避難先で不自由な生活を送り、復旧作業に従事されているみなさまの安全を心よりお祈り申し上げます。暑さ厳しき折、体調など崩されませんようくれぐれもご自愛くださいませ。

東井怜さんを偲ぶ会

  • 日時 8月19日(日)、開場13:30、開始14:00
  • 会場 ココネリホール(練馬駅前)
  • 会費 1000円

当基金の姉妹団体であるチェルノブイリ子ども基金の設立当初から活動に関わり、さまざまなご協力をくださった東井怜さんが3月22日急逝されました。有志で東井さんを偲ぶ会を開きます。

1990年「チェルノブイリ基金」が発足、91年に「チェルノブイリ子ども基金」と名前を変更。同時に埼玉県新座市で「チェルノブイリと核の大地広河隆一写真展事務局」が発足。当時、写真展事務局はチェルノブイリ子ども基金の事務局も兼ねていました。その事務局の部屋を提供してくれたのが東井さんでした。

その後東井さんは、チェルノブイリ子ども基金が支援していた、ベラルーシ・ミンスク小児血液病センターの看護師で、幼い息子を亡くした女性を日本に招き、チェルノブイリの実情を広めるため全国ツアー(福島、新潟、青森など)を行いました。2011年6月の未来の福島こども基金の立ち上げ時、世話人として加わっていただきました。

連絡先 ※参加希望の方はメールまたはfaxをお願いします。

  • メール mukai_y26(アットマーク)pi5.fiberbit.net
  • fax 048-470-1502
  • 電話 090-3539-7611(向井)
未来の福島こども基金

HP:https://fukushimachildrensfund.org/  FB:facebookページ
事務局: 〒353–0006 埼玉県志木市館 2-3-4-409 向井方
E-Mail fromcherno0311(アットマーク)yahoo.co.jp TEL 090-3539-7611 FAX 048-470-1502

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