※閉鎖した「かたひら農場中町作業所」の紹介内容となります。
郡山駅から車で20分ほどの住宅地、市民放射能測定所・郡山測定所は、にんじん舎片平農場中町作業所の一室を利用して週3日、水・木・金曜日に開かれています。測定はにんじん舎の職員の方2名とボランティアの方1名が担当しています。
食品を対象に、一日に平均して5~6検体、1検体の測定時間は30分、前後の作業を入れておよそ45分かかります。測定料は1検体3000円。申し込みをすれば誰でも利用できます。自分で作ったものを持って来る方が多いようで、訪ねたこのときはちょうどお米の収穫の時期にあたり、お米の測定だけで予約がびっちり埋まるくらいの稼働率でした。
測定器が置いてある部屋は、外壁に面した内壁一面に鉛のシートを貼って室内の放射線量を下げ、測定の精度を高めるよう工夫をしています。測定を担当しているにんじん舎職員の和田拓也さんは、やる以上は責任をもって、できることをしっかりやるようにしていますと意気込みを語ってくれました。
測定した結果は、すぐ照会できるようにファイルで整理されています。
「例えばこの二本松のもち米、ここにセシウム137の検出結果が出ています」ファイルを見ながら和田さんが説明します。「以前使っていた簡易型の測定器ですと、自然界にあるカリウム40も同時に計測してしまうので数値が高めに出ていましたが、10月に設置された現在の測定器ですと、カリウム40を分離して検出できますので、こうして分けてデータを見ることができます」
測定所の考えとして、どんな数値が出ても測定の結果はそのまま正確に伝え、行政機関の発表のように、「検出限界以下」という表現は使わないようにしていると言います。難しいと感じている点、それは測定自体よりも、その結果の意味するところ。突っ込んだ質問をされたときにどう説明するのか、それが一番難しいと率直に話してくれました。
最後にご自身の気持ちを語って、「測定結果の整理をきちんとして、部屋をいつも掃除しておくこと、それだけは気をつけています。測定に来られる皆さんはやはり情報を知りたいからここに来ますので、測定結果を閲覧しやすい形で公開して、多くの人に知ってもらい、みんなで情報を共有したいと思ってます」
測定したデータは、測定後すぐに福島市の市民放射能測定所・情報センターに送られ公開されています。