2023年7月発行ニュースレターNo.26
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みなさま、ぜひご覧になってみてください!
福島原発震災事故から12年 講演会 & 総会
講演 渡辺久子(子どものこころの専門家・日本乳幼児精神保健学会会長)
2023年8月6日(日)14:00~16:00 参加費無料
たらちねクリニックの顧問であり、東日本大震災後の福島県、バングラデッシュのロヒンギャ難民キャンプをはじめ、ロシア侵攻下のウクライナの子どもを支援している渡辺久子先生にご講演いただきます。
また、長年、ウクライナ・ベラルーシの甲状腺がんの子どもと若者を支援している「チェルノブイリ子ども基金」と、当基金の活動報告をします。みなさまのご参加をお待ちしています。申し込み方法など、詳しくはイベント詳細ページをご参照ください。会場にお越しいただくほかに、パソコンを利用したオンライン(Zoom)方式でも開催を予定しています。
申し込み方法などはイベント詳細ページをご参照ください。
原発事故と子どもの心
たらちねの活動から見えること
認定NPO法人いわき放射能市民測定室たらちね
理事長 鈴木薫
https://tarachineiwaki.org
たらちねでは、2018年から心のケア事業を始めました。
始めるきっかけは、2017年に開院した、たらちねクリニックに来院する子どもたちの様子からでした。
震災後、いろいろな理由で親や親しい親戚を無くしたり、また、過酷な避難状況の中で、ゆったりとした乳幼児期を過ごせず、早熟にならざるを得なかった子どもたちがたくさんいることがわかりました。
原発事故による子どもの被曝を恐れた母親たちは、自分の身体から放射性物質が子どもの体内に入らないよう断乳したり、2、3歳の子どもたちが10か所以上の避難所を、親と一緒に転々と移動し、その間、不安な様子の親を助けようと、幼いながらも親を困らせず、大人びた様子で必死に親に尽くし、共に生き延びた姿もありました。
突然降りかかった災難を潜り抜け、生きるために、たくさんの幼い子どもたちが無理をしながら成長してきました。その心の疲れが、子どもたちが成長するにつれ、なんらかの形で表に出始めてきました。
たらちねクリニックの患者さんが増える中、内科と小児科の受診時間の枠では解決できない重篤な相談が寄せられることも多くなり、守られた空間と時間の中で、母子が安心して話しができる場が必要だと感じるようになりました。
たらちねクリニックの顧問である乳幼児精神科医の渡邊久子先生に相談させていただいたところ、「被災者同士だからこそ理解し合える、同じ目線の語りの場があるといい」というヒントをいただきました。また、子どもにとって遊びこそが心の深い部分を守り、活性化させる大切な活動であることも教えていただきました。
それらのアドバイスに従い、心のケア事業を行える施設づくりを始めました。
子どもたちのために、箱庭遊びや、お絵描き、粘土遊び、ままごと遊び、ボードゲームなどを整え、外の世界を意識せずに過ごせる「お母さんの子宮の中」のような、薄暗く安心感のある守られた部屋を作りました。そして、子どもたちが言葉を使わなくても安らげる、身体心理マッサージの技術を専門家である徳山幸江先生にご指導いただき、身体の組織にアプローチし、心をほぐしていくプログラムも整えました。
心のケア事業は、2018年の開始から今年で年目になります。
震災時に乳幼児だった子どもたちは、今は小学校の高学年から中学生の思春期に入っています。
【子どもたちに共通して見られる様子】
全体に大人びていて、受け答えも控えめであり、利発さを感じられるスマートな物腰である。
子どもの存在が親や家族、親戚の人々にとって希望の光である。
子ども自身が、どれほど周りに尽くし、自分で努力していても、これでいいということがなく、自分を肯定しにくい思考である。
友人関係など学校での生活に問題はないが、原因不明の精神的、肉体的疲労感で、定期的に学校を休むようになっている。
他者からどう見られるか、自分はどう頑張れているかが、とても気になる。もっと、やらなければならい、という気持ちが強い。
今いる場所から飛躍したいと思っている。
親の様子がとても気になり、無意識に親の願いを叶えたいと思ってしまう。
子どもも被災者なら、親も被災者です。親の消耗や精神的疲れ、自信の喪失や、過度な上昇志向など、大人たちのアンバランスな精神状態が子どもにダイレクトにふりかかり、その気持ちを子どもが解決しようとする姿がたらちねの活動から見えてきました。
原発事故は日々、形を変えながら危険な問題が起き続ける中、被災地では、今も大っぴらに語り合うことができない「なんとなく話しにくいこと」として日常に横たわっています。しかし、語らないからこそ感じる被曝の心配や被災してしまったことへの劣等感、自分の故郷には常に問題があり、自然環境や美味しい食材などを大らかに自慢できないなどの息苦しさがあります。
被災地の子どもたちは、この息苦しさの中で、大人たちの希望の光として、様々なものを背負い、成長し、何かを成し遂げようと努力しています。
そして息詰まり、失速して、休息を必要としている、それがこの震災から12年後の姿です。
2012年から活動を継続してきた沖縄・球美の里は、2022年12月で認定NPO法人を解散し、これまでの保養事業をたらちねが引き継ぐことになりました。
ここ数年のコロナ禍もあり、以前のような大規模保養ができなくなっていたため、家族単位の小規模保養を行なってきた流れは現在も続いています。
その中の変化として大きなことは、保養が身体的なデトックス効果だけでなく、心のリラックス効果にも役立つことが顕著になったことです。
球美の里の広々とした施設や健康的な食事、プログラム、久米島の豊かな自然環境は、そこにいるだけで癒しの効果がありましたが、参加人数が小規模になったことで、これまでなかなかケアが届かなかった、団体での参加をためらうご家族にも利用していただけるようになり、癒しの効果に深みを増すようになりました。
原発事故の被災地での生活を続ける被災者家族が、球美の里でゆったりした時間を過ごしながら、それぞれが自分の心の井戸をのぞき込み、「なぜ、こうなってしまったか?」を考えたり、これから生きていく活力を養ったりしています。
目に見えない原発事故による災害は、はっきり目にみえる災害と違って、闇の部分が多く、受け手の感性により被害の大きさも異なります。選択の自由がない子どもたちが抱える心配や不安、恐怖は、子ども自身が大人に語ることはありません。語れば、親の選択を非難するという場合もあるからです。子どもは、自分が恐怖を感じていても、親の選択を責めることはしません。従うしかない、という弱者であることを無意識に知っているのと、親を思う強い気持ちがあるからです。子どもたちの声が大人に届く時は、子どもが抱えきれなくなって自分では心をコントロールできなくなった時です。
世界中で戦争や内紛があり、子どもは親と一緒に逃げ惑い、劣悪な環境の中で生き抜いています。震災や戦争で第一に行うことは、身の安全を確保することです。しかし、その後の心の安心と安全を確保することも忘れてはならないと思います。子どもたちが、健やかに育ち、次の世代を育む大人に成長するために、それは、とても大切なことだと思います。
たらちねでは、放射能の測定や甲状腺検診、医療事業などで子どもたちの身体の健康を見守るとともに、保養や心のケアの活動を通して、子どもたちの心も守っていきたいと思っています。
世界中の多くの戦争、紛争、震災のあった地域で、福島の私たちの活動を一つのモデルとして認識し、役立ててもらえることがあるといいなと思っています。
毎日、子どもたちが理不尽に命を失うニュースが報じられます。
福島でも、ミリシーベルト/年の地域に子どもを居住させる対策が促進されるなど、子どもの命は軽く扱われているなと、つくづく感じます。
子どもの命の尊厳を守れなければ、子どもの数を増やしても、世の中は何も変わらないと思います。
支援のページ
カケコミ KAKECOMI(白河市)
まかないこども食堂たべまな
代表 鴻巣麻里香
菓子パンひとつを朝と昼とで分けて食べています
家にお米がありません
ガス代が払えないのでバイトの給料を前借りしました
バイト代は全部家計に入れていますが、私のご飯は用意されません、自力でなんとかしろと言われます
そんな相談が高校生から寄せられています。そしてそういった相談は、この2年間で決して珍しいものではなくなりました。
親は子の世話をする。だから親を支援すれば子どもは飢えず、寒くなく、安心して暮らせるはず。子どもの貧困は、親の貧困だ。それが私たちのような「子どもを支援する」生業にある者たちにとって、ながらくのあいだ一種の常識でした。ですがその常識が急速に壊れています。
困窮する「世帯」を、「家」を、「親」を支援しても、それが子どもに届かない。子どもが家の中で孤立し、置き去りにされています。
私たちのこども食堂は、親子で参加できます。それは前述のように「親の支援が子の支援」であるという地点から構築されたスタイルですが、過疎が進む地域なので、送迎というサポートがないと参加が難しい子たちが多くいるという現実的な事情も絡んでいます。しかし貧しさが慢性化したコロナ禍以降、親を支えるというスタイルでの支援、そして「居場所」の運営に限界を感じています。
*各高校を通じた学生への食料品の支援(フードバンク)
*親のサポートなしに中高生がこども食堂を利用できる送迎サービス
*シェルターへの10代女性の緊急入居支援強化
*生活に困窮する高校生のこども食堂スタッフ雇用強化
いずれも昨年度より新たに始めた、また強化した事業です。それらの事業含め、私たちの活動は未来の福島こども基金様のご支援によって支えられています。心より感謝申し上げます。
子どもを支えるために親を支える、は間違いではありません。ですが大切なのは子どもを「個」として尊重できているかです。いくら幼くても、幼いからこそ、子どもの声は軽んじられ親に従属する存在として扱われる傾向にあります。親支援を通じての子ども支援、そして親から独立した「個」としての子ども支援。両輪どちらも欠かさないための模索が続きます。
フードバンクふくしま/いわき自立生活センター内
理事長 長谷川秀夫
特定非営利活動法人いわき自立生活センターが運営する 「フードバンクふくしま」に対する、お米や寄付のご支援に深く感謝申し上げます。2年前から毎月第2金曜日土曜日に、いわき市内3カ所で、生活困窮者への無料の食料配布会を開催してきました。毎回100数十名の方が来られます。
東日本国際大学での配布会には、同大学に避難留学をしている10名のウクライナ人学生も取りに来ます。こんな形で、ウクライナ避難民の支援に関わるとは思ってもみませんでした。
反貧困ネットワーク
事務局長 瀬戸大作
2020年3月の新型コロナウイルス感染拡大を踏まえて反貧困ネットワークが呼びかけして設立した「緊急ささえあい基金」を市民からのカンパで運営して現在まで1 億1千万円を給付、日々寄せられる「所持金が100円しかない。このままでは死んでしまう。助けてください」メールに呼応してSOSの現場に駆けつけて、多くは、生活保護申請同行とアパート入居までの支援、他にも債務整理や孤立状況からの脱却に向けてのサポートをおこなっています。
最近の傾向は家賃滞納と多重債務、物価高が困窮状態に更に追い打ちをかける。コロナ対策の支援策が終了した影響で、自殺者の増加等、一層深刻な事態となることが強く懸念されます。反貧困ネットワークの困窮者支援では、生存権を奪われた状態が続く仮放免の外国人の生活・医療・居住支援を続けています。国籍に関わらず!在留資格に関わらず!日本人でも、ナニジンでも、ここ(日本)に生きている人として、貧困状態に置かないことを理念にしてきました。外国人支援に費やした費用は既に8千万を超えています。
サブリース(転貸)・一棟借り上げ方式を主に、個室シェルター「ささえあいハウス」「ニコニコハウス」「大泉ハウス」「ささえあい千葉ハウス」「ささえあい神奈川ちょこさぽ」「板橋ハウス」計6か所の個室シェルター合計31室運営しています。シェルター入居者の困難レベルが高まっています。生活保護申請同行担当者がシェルターの訪問定期巡回の頻度を高めています。14部屋が仮放免など非正規滞在の外国人で家賃収入が見込めません。経営的にも厳しいですが、「誰一人殺させない」取り組みを続けます。並行して地域から仮放免など非正規滞在の人々や生活保護の対象外とされているすべての外国人の生存権保障のための「居住」「生活」「医療」を自治体から保障していく体制づくりを自治体議員と共に取り組んでいきたいと考えています。
いつも応援ありがとうございます。
沖縄・球美の里の声
今、球美の里ではファミリー保養継続中です。6月25日に沖縄では梅雨が明け夏本番となりました。
お父さんが一緒のファミリー保養も、母子だけの保養も、3家族一緒の保養もいろいろです。
※球美の里ブログに毎日の保養の様子を掲載中。
どの保養者からも大好評の食事。
ある日のメニューを紹介します。
・もずくと野菜のかき揚げ
・クーブイリチー(昆布と椎茸の炒め物)
・モロッコインゲン胡麻和え
・アーサーと有機豆腐の味噌汁
・酵素玄米
・3時のオヤツタイムは米粉のサーターアンダギー
「藍染め」、麻紐や貝殻で「ストラップ作り」
カラー麻紐とウッドビーズで「キーホルダー作り」など、寄付していただいた材料で楽しんでいるそうです。
子どもたちへの応援金支援
前号でお伝えしましたようにこの3月より福島の子どもへの応援として「学資支援」と「病気の子ども支援」を始め、6月末までに 「学資支援」19名、「病気の子ども支援」4名 の子どもたちに応援金をお渡ししました。
学資支援は原則高校生が対象ですが、特例として高校生以外にも応援金を渡しました。
支援を受けた保護者さんからの声を紹介します。
学資支援
【保護者からの声】
「子どもたちへの応援金」を支援していただいた高校1年生の娘は、元気よく毎日、学校に登校しています。高校生になって出会った学友とも仲良くなり、試験なども守られて、一学期を過ごしております。皆様のご支援を心から感謝申し上げます。
娘の一言です。「活動によって助けて下さり、ありがとうございます」
【保護者からの声】
応援金をいただき感謝しております。光熱費および物価価格高騰により、日々の生活が大変でありGwは外出は控え、自宅で過ごすという娘には不憫な思いをさせました。
応援金のお陰で、娘が希望していた習い事に通わせる事ができました。ずっと前から習い事がしたいと言われていましたが、今は生活がギリギリで、習い事なんかさせてやれない。と言っていたのです。
コロナ禍で仕事も減り、給与も下がり母子家庭という目を気にしながらの毎日。応援金のおかげで、習い事ができる。と話したら、感激しながら泣いていました。
そして 私に、ありがとうございました!と頭を深くさげてお礼をしたんです。あの姿は生涯忘れる事はないです。皆様 本当にありがとうございました‼
大切に使用させていただきます。
【保護者からの声】
福島の子どもたちをサポートいただきありがとうございます。子どもは昨年同様、Gw後からパワーがなくなり、不登校となりました。新学期、1日中学校で限界を振り切って我慢して生活していたようです。
アトピーなので、食事に気を使います。不登校になってからは、ほぼ毎晩子ども食堂で子どもだけ食事してもらっているので、とても助かります。
昨日、子どもが学校に呼び出された時も(教師が状態確認のため)、配布物のプリント学習の話をした途端に「はい、わかっています、今は勉強はしたくありません」と話して、自分の大腿部を拳で叩いたそうです。その自傷行為に、先生は驚いたそうです。子どもは無意識だったようで、自覚はありませんでした。最近は「僕は大丈夫だから」のキーワードをよく言います。大人達の不安を感じ取っているのだろうと思います。今は、長時間逃避行動を続けていますが、一年前に比べれば、家事のお手伝いが出来るようになったり、暴言暴力はありますが大分軽減しています。本人のペースで発達出来ているかなぁと思います。最近は、フリースクールに意欲を示しています。
過指示、過干渉、過保護を減らして(無意識にやってしまうので難しいです)、自己選択、自己実現、その結果は良くも悪くも自分で引き受けてもらいたいと思います。
【保護者からの声】
おかげさまで、塾に通いはじめました。
ずっとスポーツをしており、勉強は二の次になっていたので成績が悪く、行ける高校はないのではないかと心配していました。先週中間テストがありました。塾に通い始めたからか、テストの点数があがりました‼
希望している高校の学力にはまだ達していませんが、このまま頑張れるのではないかと期待しています。
ありがとうございます!本当に心より感謝しております。
【保護者からの声】
さっそく部活用品を購入したいと思います。みんなと足並みを揃えることができます。給食からお弁当になり食費が増えました。ご支援、とても感謝しています。ココロもカラダも健康第一で無理せずに子育て頑張っていきます。
【保護者からの声】
我が家は兄妹が支援の対象となりました。支給された口座はそれぞれが管理していますので使途も各自考えるように言いました。
まず、TOEICの勉強費用、学用品などに使いました。他にも先日、この子たちの叔母が急逝いたしました。急遽、私と子どもたちと交代で6日間の看取り期間を過ごす事になりました。一足先に私が病院に行ったため、子どもたちはそれぞれの支援金を銀行でおろし特急に乗ってかけつけました。その後は叔母の友人など面会者には飲み物を買い、祖父の送迎の車代を出していたようです。食事、銭湯代なども自分で出していました。命の大切さと縁の大切さを感じ取り、この場面で支援金を使うことを子どもたちで話し合い、決めたそうです。初めて自分で応募の資料を作り、提出、自己管理するお金。支援者の方の想いとは違う使いかたかも知れませんが一部はそのように使わせていただきました。
病気の子ども支援
【保護者からの声】
避難生活も10年以上、私も定年退職となりました。給与は下がりましたが再就職できました。そんな中で、私に、直腸ガンが見つかりました。幸い治療はできたのですが、抗ガン剤の副作用は手ごわく私の体を痛めつけます。
そして、避難先の国家公務員住宅に住み続けていることで、なぜか福島県と裁判になっています。2倍の家賃請求に納得はいかない。生活費を見直す中で、子どもの習い事も考えなければならないところ、ありがたいことに応援金をいただけることになったので、子どもの大好きなサッカーを続けさせてもらえています。小さな体なりに一生懸命ボールを追いかけています。読み書きが苦手なのが大変なのですが、楽しく日々を過ごすことができています。ありがとうございます。
(注)生後すぐに心臓の病気が見つかりましたが、幸い今は普通の生活を送る(経過観察を受けながら)ことができている小学生です。
【保護者からの声】
言葉に出来ないほど、感謝です。
息子は今日も学校を休んでしまいましたが、まだ卒業を諦めてはいません。
とはいえ、病気のせいでいろいろと自信を失っているので、『先週、○○○の通帳に、お金が振り込まれたと思う。応援したい という団体からの寄付です。他の誰でもなく、○○○を応援したいという人たちがいること、心に留めておいてね』と伝えたら『なんか申し訳ないな。僕より苦しんでる人は、いっぱいいると思うのに』と。
学校に行けない不安を抱えながらも、『僕より苦しんでいる人』の存在を気遣う息子に、胸が詰まりました。
朝、普通に学校へ行く。ということがまだまだ難しい息子。課題はありますが皆さまに励まされ、今はゆっくりと回復を目指しています。感謝を込めて
黒部ドクターからの一言
黒部 信一(小児科医師)
黒部信一ブログ
未来の福島こども基金 代表
チェルノブイリ子ども基金 顧問
いわき・たらちねクリニック 顧問
「みなさんからのメッセージを読みました。
習い事をひとつなら、ベラルーシのナデジダで、子どもたちに空手やパソコンなどいろいろ教えたように、子どもたちに希望を与える上で大切なことだと思います。特にやりたいことをやらせることです。
そのときのポイントは、嫌になったらいつでもやめることです。
そうするとまたしたくなったりします。
始めたからには最後までしなさいというのはおかしな論理ですが、まかり通っています。
とにかく本人が望む初めての習い事なら、問題ないと思います。
やりたいことをやらせてあげましょう。
前記の条件を付けて下さい。
嫌になったらやめること」
ひとつは、長岡京市にお住まいだった海老英子様の遺志を継いで、管理されている方からご寄付がありました。
もうひとつは『桜の高遠閣 小松傳一郎の孫』一同様からのご寄付です。
子どもたちへの応援金は数年間の継続が必要ですので、原資として特別会計にさせていただきます。誠にありがとうございました。
今後、子ども食堂への支援などももっと広げていければ、と検討しています。みなさまの応援、今後ともよろしくお願いします。
ウクライナ支援
カテリーナコンサートを終えて
実行委員会 川村伸一
6月17日(土)、名古屋市国際センターで「ウクライナに平和を、カテリーナ・コンサート」を開催しました。チェルノブイリ救援・中部の河田昌東理事の講演「ウクライナと原発危機」とチェルノブイリ子ども基金の佐々木真理事務局長の活動報告を組み合わせたイベントでした。
少数の高齢者で実行委員会をつくり、旧来型の広報活動を行いましたが、手応えはあまりありませんでした。ウクライナ国立民族舞踊団の20年ぶりの来日公演(同じ名古屋市内で同時刻)と重なる不運もありました。
一番の懸念は、支援者の高齢化でした。ここ数年のチェルノブイリ絵画展の来場者の著しい減少は、単にコロナ禍というだけでは説明がつきません。今回も私の周辺からは「行きたいけれど、行けない」という声を何度も聞きました。
そんな状況の中で、空席だらけのイベントになることは覚悟しましたが、意外にも客席(110席ほど)はほぼ埋まり、内容も概ね好評でしたので、安堵しているところです。予想外の結果になったのは、理不尽な侵略戦争に苦しむウクライナの人々を微力ながらも応援したいという来場者の気持ちだと思います。従来の「チェルノブイリ・福島支援」に加えて「ウクライナ支援」が形になったと感じました。
ただこのことも、長い目で見れば、高齢化の波には抗えないと思います。以前、チェルノブイリ13周年ナターシャ・グジーコンサートが全国各地で開催された際、名古屋公演を主催したことがありました。その時のアンケートを見ると、来場者の多数を占めたのは40代と50代でした。それから24年が経ち、今回のアンケートでは70代だけで半数近く、60代を加えると三分の二になります。今回のようなイベントは、10年後には確実に成り立たなくなっていると思います。
以前から指摘されていたことですが、若者への働きかけやSNS時代に見合ったイベントの在り方を探ることが課題だと改めて感じました。
※当日はカテリーナのお母さんも参加。ロビーにはチェルノブイリの子どもたちが描いた絵を展示。かつてチェルノブイリ子ども基金が事故10周年のときに現地から寄贈された絵画です。今でも色あせることがなく当時のままです。愛知県瀬戸市の絵画展事務局では絵を貸し出しています。当団体でも受け付けています。
お知らせ
- みなさまにお届けしているこのニュースレター、活動報告・寄付金の使途報告を基本としています。2022年度の会計報告は2023年8月6日の総会で行います。次号に会計報告を掲載します。総会時、小児精神科医師 渡辺久子先生の講演会を行います。めったにない機会と思います。多くのみなさまのご参加、お待ちしています。
- ウクライナは、現在も厳しい状況が続いています。チェルノブイリ子ども基金のブログ「事務局だより」にはウクライナの支援している子どもや家族の最新情報が掲載されています。
また、ベラルーシでは、戦況が激しくなるにつれ微妙な立場におかれ、なんの罪もない市民生活が脅かされようとしています。チェルノブイリ子ども基金では、できるだけベラルーシにも支援が滞らないようにしていきたいとのことです。
https://blog.goo.ne.jp/cherno1986jimukyoku - 東電株主代表訴訟の控訴審が始まります。チラシを同封させていただきました。また、福島の避難者訴訟も東京、神奈川、千葉、埼玉、新潟はじめ全国で争われています。市民の注目が大事です。どうぞ、応援してください。避難者救済につながる関連チラシ同封しました。
- 福島第一原発の放射能汚染水(国は処理水と呼ぶ)の海洋放出がまったなしになってきました。何としても放出したい東電と国と国際原子力機関。何としても反対の漁業者と市民。私たちも反対です!!!
- 長年継続して開催している『フォトジャーナリズム展三重』。2023年は「フクシマを見つめる写真家の眼」と題して、フォトジャーナリスト豊田直巳さんと写真家飛田晋秀さんの写真展および講演会などが開かれます。〔津リージョンプラザ3階展示室〕入場無料
8/17(木)~8/20(日)10:00~17:00 詳細は三重ジャーナリズム展のfacebookをご覧ください。
(問)080-5100-5448 - 今年は真夏のような暑さが6月から続いています。全国各地では豪雨被害も起きています。被害に遭われたみなさまにはお見舞い申し上げます。
未来の福島こども基金 規約
1、本会の名称 :「未来の福島こども基金」
2、目的: 福島原発震災に遭った被災者を支援するため、情宣・募金活動を行う
3、会費 :3000 円、学生会員 2000 円、維持会員 1 万円の年会費を納入する*
4、役員: 代表 1 名、若干名の世話人をおく。世話人の中から会計、監査を選任する
5、会員はそれぞれ可能の範囲で創意工夫して自由な支援活動を行う
6、本会は印刷物、メール、ネット、等の媒体を通じて適宜活動報告を行う
7、毎年 1 回、総会を開き、事業および会計について報告する
8、事務局:353-0006 埼玉県志木市館2-3-4-409 向井方
〈問合せ〉Tel:090-3539-7611
9、活動開始:2011年6月1日より(会計年度6月1日より翌年5月31日まで)
※会費には寄付金も含まれます。
※経費は募金額の1割以内をめどとする。
※当基金は任意団体です。税金控除の対象となりません。ご了解ください。
継続支援のお願い
引き続きのご支援をお願いします。すでに振り込まれた方はご容赦ください。
また、チラシをまわりのかたに広めていただける場合、枚数をお知らせください。お送りします。どうぞよろしくお願いいたします。
郵便振替口座
振替口座: 00190-0-496774
口座名: 未来の福島こども基金
他の金融機関からゆうちょ銀行へお振込の場合
店番 : 019
店名 : 〇一九店(ゼロイチキュウ店)
預金種目 : 当座 0496774
三菱UFJ 銀行 神楽坂支店
支店名: 神楽坂支店(支店番号:052)
口座名: 未来の福島こども基金
口座番号:普通口座0064011
海外から送金の場合 – Remittance from Overseas
– Remittance from Overseas
BENEFICIARY’S BANK/ACCOUNTBANK:
THE BANK OF MITSUBISHI UFJ, LTD
3-7, KAGURAZAKA, SHINJYUKU-ku,
TOKYO 162-0825, JAPAN
BENEFICIARY’S BRANCH:KAGURAZAKA BRANCH
SWIFT/BIC:BOTKJPJT
ACCOUNT NAME:Fukushima Children’s Fund
c/o Mukai Tate 2-3-4 409 Shiki City Saitama.
353-0006, JAPAN
ACCOUNT NUMBER:052-0064011
HP:https://fukushimachildrensfund.org/
FB:facebookページ
事務局:〒353–0006 埼玉県志木市館 2-3-4-409 向井方
TEL 090-3539-7611 FAX 048-470-1502
Eメール:info*fukushimachildrensfund.org
(Eメールの「*」は「@」に変えてください)